虫暮れ

自然のなかで楽しいコトみーつけた。

ナミフタホシメダカハネカクシ Stenus tenuipes

分類が難しいハネカクシ科の中でも、見た目に特徴があり、同定できるかも!?と思わせてくれるメダカハネカクシの仲間。

しかし、日本産ハネカクシ科総目録(2013年)によると、メダカハネカクシ亜科には258種が知られており、やはり手強いハネカクシなのであります。

 

そんなメダカハネカクシの中で、同定しやすい種がいます!

それは、上翅に黄色紋を持つ種です。

御覧のとおり、上翅に黄色の斑紋がありますね。

ハネカクシ談話会ニュース No. 6 日本産メダカハネカクシ亜属の覚え書き」

によると、この仲間は以下の4種が知られているそうです。

・ホソフタホシメダカハネカクシ Stenus alienus(脚が黄色、本州~九州に分布)

・ヒメフタホシメダカハネカクシ Stenus biguttatus(脚は通常暗色、北海道に分布)

・オオフタホシメダカハネカクシ Stenus comma(脚は通常暗色、北海道に分布)

・フタホシメダカハネカクシ Stenus tenuipes(脚は通常暗色、日本全土)

(1998年時点の情報なので、その後に新しい種が追加されている可能性もありますが、調べた限りではその様な情報は見つかりませんでした)

 

そしていくつか和名が変更になっているので、以下に再整理してみました(赤字が変更点)

・ホソフタホシメダカハネカクシ Stenus alienus(脚が黄色、本州~九州に分布)

・ヒメフタホシメダカハネカクシ Stenus biguttatus(脚は通常暗色、北海道に分布)

フタホシメダカハネカクシ(和名改称) Stenus comma(脚は通常暗色、北海道に分布)

ナミフタホシメダカハネカクシ(和名改称) Stenus tenuipes(脚は通常暗色、日本全土)

 

オオフタホシがフタホシになって、フタホシがナミフタホシになっています。(ややこしい...)

分布を確認すると、北海道には3種が分布しているので交尾器等を比較する必要がありますが、幸いにも本州にはホソフタホシメダカハネカクシとナミフタホシメダカハネカクシの2種しかいません!しかも、脚の色が違うから容易に識別できるじゃん!あっはっは!

ということで、東北地方某所で採集した写真の個体は「ナミフタホシメダカハネカクシ Stenus tenuipes」だろう、という結論に至りました。

 

【参考にしたHP等】

ハネカクシ談話会ニュース No. 6

九州大学総合研究博物館研究報告

 ・日本産ハネカクシ科総目録(昆虫綱:甲虫目)第11号(平成25年)

 ・「柴田ら (2013) 日本産ハネカクシ科総目録(昆虫綱:甲虫目)」の訂正 第12号(平成26年

 ・日本産ハネカクシ科総目録(昆虫綱:甲虫目)−2014年までの追加と訂正 第13号(平成27年