虫暮れ

自然のなかで楽しいコトみーつけた。

ドバト(カラスバト)

近所の川沿いで、ドバトを撮りました。 

首元の虹色がキレイです。

みんな模様や色合いが違うので、お気に入りを見つける楽しみがあります。

撮影した場所は、普段から餌やりをする人がいるポイントなので、ハトも人馴れしています。

が、餌を持っていない事が分かると、少しガッカリした様子でした。

 

 

 

日本産のホシウスバカゲロウ属(Paraglenurus 属)の分類

以前、ホシウスバカゲロウ属はリュウキュウホシウスバカゲロウとホシウスバカゲロウの2種が知られていました。

令和3年に公開された以下の論文で、新種5種が追加され合計7種となりました。

ocm.osaka

論文PDFはこちらからDLできます。

 

従来、ホシウスバカゲロウとして知られていた種には、新種5種が含まれていることが明らかにされました!そんなに潜んでいたなんて、衝撃。

ホシウスバカゲロウ1種が、6種に分かれたわけです。しかも、形態的にも識別できるとのことで、この論文では検索表と綺麗な写真もついています(無料!有難い!)

 

私自身、過去にホシウスバカゲロウとしていた種が、果たしてどの種に該当するのか。

情報のアップデート、大切ですねぇ(本論文の公開は2年前・・・気が付くのが遅いのは置いといて)

 

 

 

 

ナミフタホシメダカハネカクシ Stenus tenuipes

分類が難しいハネカクシ科の中でも、見た目に特徴があり、同定できるかも!?と思わせてくれるメダカハネカクシの仲間。

しかし、日本産ハネカクシ科総目録(2013年)によると、メダカハネカクシ亜科には258種が知られており、やはり手強いハネカクシなのであります。

 

そんなメダカハネカクシの中で、同定しやすい種がいます!

それは、上翅に黄色紋を持つ種です。

御覧のとおり、上翅に黄色の斑紋がありますね。

ハネカクシ談話会ニュース No. 6 日本産メダカハネカクシ亜属の覚え書き」

によると、この仲間は以下の4種が知られているそうです。

・ホソフタホシメダカハネカクシ Stenus alienus(脚が黄色、本州~九州に分布)

・ヒメフタホシメダカハネカクシ Stenus biguttatus(脚は通常暗色、北海道に分布)

・オオフタホシメダカハネカクシ Stenus comma(脚は通常暗色、北海道に分布)

・フタホシメダカハネカクシ Stenus tenuipes(脚は通常暗色、日本全土)

(1998年時点の情報なので、その後に新しい種が追加されている可能性もありますが、調べた限りではその様な情報は見つかりませんでした)

 

そしていくつか和名が変更になっているので、以下に再整理してみました(赤字が変更点)

・ホソフタホシメダカハネカクシ Stenus alienus(脚が黄色、本州~九州に分布)

・ヒメフタホシメダカハネカクシ Stenus biguttatus(脚は通常暗色、北海道に分布)

フタホシメダカハネカクシ(和名改称) Stenus comma(脚は通常暗色、北海道に分布)

ナミフタホシメダカハネカクシ(和名改称) Stenus tenuipes(脚は通常暗色、日本全土)

 

オオフタホシがフタホシになって、フタホシがナミフタホシになっています。(ややこしい...)

分布を確認すると、北海道には3種が分布しているので交尾器等を比較する必要がありますが、幸いにも本州にはホソフタホシメダカハネカクシとナミフタホシメダカハネカクシの2種しかいません!しかも、脚の色が違うから容易に識別できるじゃん!あっはっは!

ということで、東北地方某所で採集した写真の個体は「ナミフタホシメダカハネカクシ Stenus tenuipes」だろう、という結論に至りました。

 

【参考にしたHP等】

ハネカクシ談話会ニュース No. 6

九州大学総合研究博物館研究報告

 ・日本産ハネカクシ科総目録(昆虫綱:甲虫目)第11号(平成25年)

 ・「柴田ら (2013) 日本産ハネカクシ科総目録(昆虫綱:甲虫目)」の訂正 第12号(平成26年

 ・日本産ハネカクシ科総目録(昆虫綱:甲虫目)−2014年までの追加と訂正 第13号(平成27年

 

 

 

ヨコヅナツチカメムシ

小さな虫が続いていたので、今日は大きめの虫をご紹介します。

その名も、ヨコヅナツチカメムシ

見た目がどこかゴキブリっぽいので、苦手な方はごめんなさい。

成虫は最大で20mmほどににもなる、大型のツチカメムシです。

地表を徘徊していて、地上に落ちた種子などを吸汁して生活しているそうです。

黒光りした背中と、ギザギザした脚がかっこいいですね!?

うんうん、横綱の名にふさわしい。

 

上記の写真はOLYMPUS TG-4の深度合成機能を使用した写真です。

そして下記の写真はTG-4でブランケット撮影した画像を、CombineZPというソフトで深度合成したものです。

同じような仕上がりですが、若干後者のほうがクリアなようです。

OLYMPUSのTGシリーズは手軽に深度合成が出来るので、いいカメラです。

調べてみると最新機種はTG-7。

OLYMPUSは顕微鏡とカメラ事業を売ってしまったので、今はOM SYSTEMというメーカーになっています。

カメラや顕微鏡から「OLYMPUS」のロゴが消えてしまうのは、少し寂しいですね。

 

 

 

アオバドウガネトビハムシ Chaetocnema koreana

今回は、ハムシ科のアオバドウガネトビハムシのご紹介です。

こんな感じの虫です↓

体長は2.5mmほどのハムシで、このChaetocnema属は国内で16種ほどが知られているそうです。

ハムシは特定の植物につく事が多いため、採集した際に"ついていた"植物が同定のヒントとなる事が多いです。

ただ、今回採集した個体は、どの植物で採れたかわからず、ヒント無しで戦う事になりました。(やみくもに採集してはダメですね、、)

 

それでは、保育社の甲虫図鑑Ⅳの解説を確認してみます。

 

①頭部、前胸背板は銅色 →OK

②上翅は青藍色 →写真では黒っぽく見えてしまいますが、実際は青っぽいのでこれもOK

 

③上翅側片には剛毛を装い、表面はやや不規則な印刻を有する →上翅のヘリに剛毛がはえているのが分かります

 

④上翅点刻列の間室には明瞭なハート型点刻を装う →線で指し示したあたりにハート。分かるかな。

 

⑤体腹面は黒色 →OK

⑥肢は赤褐色のふ節、けい節の末端部1/2を除き黒褐色 →OK

 

ということで、アオバドウガネトビハムシで良さそうです。

 

ちなみに、私はハムシ同定のバイブル「日本産ハムシ類幼虫・成虫分類図説」を持っていません。

絶版+古書は高価なので、後は図書館で借りてコピーするしかありません。

電子書籍でもよいので、復刊してほしいものです。